私は、ノンセクというセクシャリティーを
生涯隠し通したいとは考えていない。
自分は、ノンセクである事を
積極的に言いふらしている訳ではないが、
親友や一部の家族には、
私がノンセクであるという事について、
空気を読んで察して頂けている状況だ。
だから、無理に異性の交際歴や、結婚願望、
子育て願望の作り話はしなくても良いし、
誰からも聞かれもしない。
（周りは「一人で生きていけるなら、
それでもいいんじゃない？」という雰囲気）
私のように自分のセクシャリティーを
一部の人にオープンにする事が、
良い事、正解だとは一概には言えないが、
匂わせつつ察して頂けるなら、
仄めかして感じて頂けるなら、
それに越した事は無いと思う。
なぜなら、
セクシャリティーを公開すればその分、
必要の無い嘘をつくことが減るからだ。
ノンセクであることを隠すと、
あたかも恋人がいるように振舞ったり、
あたかも誰かと肉体関係を持ったような
嘘をつかなければならない時もある。
まだ結婚していない適当な理由を
作らなければならない時も出てくる。
そうすると、
本当の自分でいられる時間が
どんどん減っていく気がする。
本当は
「私、ノンセクだから異性と付き合わない」
と言いたいのに、
「欲しいのに彼氏が全然出来ないんだよね」
と言わなければならない。
本当は
「性的関係を迫られると逃げたくなる」
と言いたいのに、
「性的関係を持てて、嬉しかった」
とか作り話を話さなければならない。
その場しのぎの軽い嘘と言えばそうだけど、
軽い嘘の積み重ねが塵も積もれば山となる。
自分の人生が嘘まみれになってしまう。
自分のセクシャリティーという
大切な個性を隠し、
本音の自分に重たい蓋をして、
一度きりの人生を生き続けるという事は、
自分の存在を自分で否定している事に等しい。
自分で自分を殺してしまってはいけない。
嘘の自分で生きることに慣れてはいけない。
私はそう思う。
セクシャリティーを無理に
誰かに打ち明ける必要は無い。
自分以外の人にノンセクだと明言して、
理解してもらおうと思わなくてもいい。
でも自分自身には嘘をつきたくはない。
ノンセクの自分を嫌いになりたくない。
本当の自分を否定したくない。
だから私は自分で自分を認めて、
自分でノンセクの自分を愛し、
信頼できるほんの一握りの人と過ごす、
本当の自分でいられる時間を大切にして、
嘘偽りの自分の人生ではなく、
本当の自分の人生をできる限り歩みたい。
自分をケアしてあげられるのは、
たった1人の自分だけだから。
